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不思議の国のNEO―未来を変えたお金の話

インターネットの分散処理等の考え方の方向から、現在の経済システムを眺め、実現し得る代替経済システムを「不思議の国」というある種のユートピアで例示して見せてくれる実に興味深い作品。 著者の斉藤賢爾さんに、私がぼんやり考えて纏められなかった思いを明晰に描き出して呉れたような気がして、日曜の朝食後に一気に読了し、静かな興奮を味わう。

単に技術者が既存世界の仕組みに技術を押し込んで「これで巧く行くだろう」と自己満足しているような底の浅い作品ではない、世界の構築の仕方自体にまで想像力を行き渡らせたスケールの大きな作品だと思う。 勿論、概略しか語られていない平易に書かれた入門書なので、今後様々な形で実現への細部を詰めて行かねばならないだろうが、基本的に必要な要素技術は存在し、本質的に必要なものは、人々が押し付けられた経済の仕組みの暗示から目覚めること、のようだ。

来週(2009/05/31)、ゲゼル研究会東京講演会で、著者ご本人の話も聞けそうなので、楽しみにしている。

それにしても、斉藤賢爾さんが作品の最後で衛星軌道エレベータを取り上げていたのは嬉しい。 我が意を得たり、という感じ。 人類経済の行く先をロジックで追って行くと、やはりその辺りに行き着くんだな、と思う。 斉藤さんは情報処理推進機構未踏ソフトウェア創造事業」 2007年度第2期「天才プログラマー/スーパークリエータ」に認定されているらしいが、そのテーマが「地球規模オペレーティングシステム外殻(シェル)の開発と応用」だもんなあ。 SFと見まがうような(下手したら超越する?)壮大な構想力ではないだろうか。



商品名
不思議の国のNEO―未来を変えたお金の話
価格
¥1,785
著者
斉藤 賢爾
出版社
太郎次郎社エディタス
発売日
2009-05
URL
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4811807308/kanshin-1-22/ref=nosim