IT部門と働く個人の関係に関する面白い記事を発見

いつも会社支給のPCに自分の生産性を向上させる為に勝手にソフトを入れたり、外部ネットサービスを利用したりして困り者扱いされている僕だが、そういう「社内IT部門にとっての厄介者」に関する、ちょっと面白い記事を見つけた。 CIOマガジン、つまり米国のチーフ・インフォメーション・オフィサーが読む雑誌の記事だ。

「“影のIT部門”を管理せよ! 〜 社内PCに無断インストールされるコンシューマーITとの共存方法を探る

自宅で利用している有用なアプリケーションやツールを社内PCに勝手にインストールし、自らの業務の効率化を図ろうとするユーザーが増えてきた。IT部門がクライアントを管理するにあたって、このような、実態がつかめず、管理が行き届かない“影のIT部門”の存在は大きな脅威である。しかしながら、単に使用を禁止するだけでは、ユーザーから反感を買うだけでなく、企業全体の生産性を落とすことにもなりかねない。本稿では、従業員の生産性向上と企業としてのガバナンスの確立という相反する課題を両立させた米国企業の取り組みを通して、企業に浸透するコンシューマーITとの“正しいつきあい方”を探ってみたい。

要するに、勝手にいろいろやる「困ったちゃん」は確かに居るが、本当の意味で組織に生産性をもたらす為には、そういった「自主的な生産性向上への動き」を禁ずるだけではよろしくない、ということらしい。 非標準のアプリケーションを買って入れるとか、会社で提供されている以外のCMSを入れてチーム内の情報共有を図るとか、僕がやってきたことが全て生産性向上に結びついているか、と問われれば、(情報システム部門の人たちがニヤニヤ笑っているのが見えるようだが)全部が全部とは言えないだろう。 しかし間違いなく一部は役に立った筈(だと思いたい)。 

米国の先進的なユーザでそういった動きが出てきた、ということは、日本でも同様の動きになることは多分確実で、僕はそういった動きの尖兵だったんだな、と、自己正当化しておこう。

会社で認められたアプリケーションだけを使って仕事をこなすのか、会社で禁止されていないアプリケーションなら何でも構わないから使って仕事をこなすのか。 これは「どうしても隠さねばならない情報以外は全部オープン」という方針と、「どうしてもオープンにしなくてはならない情報以外は全部隠す」という主張の対立に似ている。 勿論僕の主義は前者なのだが、多くの場合、無意識に後者の方向性を採ろうとする組織がかなり多いのは残念なことだ。

まあ、将来的に多くの個人が僕並みかそれ以上の(といっても全く大したものではないが)コンピュータ(&ネットワーク)・リテラシーを持つような時代が来れば、否応無く多くの組織の情報システム部門は後者の立場に転換せざるを得なくなると思う。 会社組織が、ブロイラーの群れを求めるのか、地鶏の産む栄養価たっぷりの卵を求めるのか、にもよるが、ブロイラーのような仕事の仕方を、高給のオフィスワーカーにさせているようでは、組織の競争力は保てないと思うからだ。