ホテルの石鹸

出張が多く、ホテルの石鹸が手元に溜まる。 長い出張になると、それだけで随分な荷物になったりもする。 それならそんなもの持って帰らなければ良い。 しかし貧乏性なので、つい、石鹸もシャンプーも、余ったものは持ち帰ってしまう。 趣味で蒐集してる訳ではないので、順々に風呂で使って行く。

小ぶりとは言え、風呂場で家族が使っても石鹸一個が一週間位はもつ。 ホテル一泊で平均二個の石鹸を貰うとすると、一泊につき二週間分の石鹸の獲得、ということになる。 今、自宅の石鹸置き場(写真)には、最低でも50個位の石鹸があるので、一年分位は石鹸が備蓄されている計算になる。

上記の計算に従うと、ホテル宿泊のペースが、14日に1日以上の割合になると、石鹸は増殖する。 実際、現在手元に50個ある、ということは、どんどん増殖している、ということである。 そろそろ他所様に進呈しないと、一つの抽斗に納まらなくなってきている。

よそ様に差し上げる、となると、見栄えの良い、良質の石鹸を選んで差し上げねばなるまいが、そうなると、質の悪い石鹸が手元に残り、これを消費するとなると、冬などは肌荒れが心配される。 事実、家内はホテルの石鹸の成分を嫌い、自前の石鹸を使っている位である。 やはり、ホテルの石鹸を自宅に持ち帰るのは、間違った吝嗇なのであろうか?

ネット上でも、似たような疑問を感じている人が居たらしい。 Gooで、質問があり、幾つか回答が寄せられている。
http://oshiete1.goo.ne.jp/...

ホテルの石鹸の質は、ホテルにより、千差万別である。 一般にホテルのグレードに従って、質も上がるように思える。 空港に隣接したようなビジネスホテル級だと、「洗えれば文句あるまい」とでも言いたげな貧相な石鹸だったりするのは当然かも知れないが、面白いことに、アジアの、特に中国人が経営していると思われる比較的高価格なホテルでは、透明な石鹸、透明なシャンプー類が多く出てくる。 大抵、見た目だけで、使用感は悪い。 超高級ホテルになると、透明石鹸、透明シャンプーは姿を消し、本当に使って気持ちの良い製品になっているように思う。

さて、環境問題の観点から、この問題を考えてみると、どうなのだろう? 私が持って帰った石鹸(とシャンプー・リンス類)は、自宅で消費されるが、もし持ち帰らなかった場合には、開封していない石鹸は、多分、他の客に再利用されるだろう。 これは資源的には無駄にならない。 そしてそれは、僅かながら、ホテルを経営する地元の大資本家か、国際ホテル資本の懐を潤すことになる訳である。 私は資本家の役に立つことには興味が無いので、そっちは逆に腹立たしい気もする位である。

さて、トランクに詰めた石鹸類を飛行機で日本に持ち帰る場合、重量が増加することで、無駄に燃焼させられるジェット燃料の分量というのは、どれ位になるのだろうか? もし、一人の乗客が1kgの石鹸を持っていたとして、ジャンボ機の100人の乗客が同じことをしていたら、+100kgである。 これは、案外環境的には無視出来ないかも知れない。

環境問題では、一般に、生産したものは地元で消費するのが良い、とされている、と思う。 余分の運搬のエネルギー消費が不要だからである。 また、グローバリズムに巻き込まれない、という意味合いもあるのかも知れない。 ということは、私が出張先のホテルの石鹸を自宅に持ち帰って、ささやかな節約と、旅の思い出を楽しむのは、環境問題の視点から言えば、正しくない、ということなのであろうか?

下のリンクは、東急ホテルの取組「グリーンコイン」。 アメニティを全く使わなかった場合、これ(グリーンコイン)をフロントに置くと、その溜まった分だけ、東急ホテルが環境保護に援助を行うというもの。 私の考えていた理想像そのものと言える。 東急ホテル、素晴らしい。
URL
http://www.hideksoft.com/ebook/25.html
URL
http://www5f.biglobe.ne.jp/~go-west/parts.html
URL
http://www.jsda.org/t00top/index.html
URL
http://www.tokyuhotels.co.jp/ja/upload/hotels/001/
URL
http://www.sekkenshinpo.com/