「「モモ」を贈る会」という考え

今の金融資本主義に覆われつつある世界情勢の中で、人間らしい生き方を取り戻すために僕が出来ることの一つに、ミヒャエル・エンデの「モモ」をまだ読んだことの無い人に薦める、ということがある。関心空間でも、このブログでも、何度も「モモ」を推薦し、激賞してきた。 数万人の読者のあるメルマガの発行者にこれを薦めて、彼のメルマガで「モモ」を推薦図書として流して貰ったこともある。

しかし「モモ」を読んだ人の中には、「こんな理想を語っても現実と落差が有り過ぎて却ってストレスを感じる。」などという気の毒なサラリーマンも居るようだ。要するにどっぷり「灰色の男」に支配され、自分自身も灰色化が進んでいるような人にはなかなか素直な気持ちで受け止めて貰えないのかも知れない、と最近は思い始めた。

一昨年、以前僕の部下だった女性が結婚して最初の子供が生まれたとの連絡を受けて、出産祝いに「モモ」を贈ったのを覚えている。 彼女が効率よりも人間らしい慈しみを以って子供に接し、愛情に満ちた家庭を築くことを願って。 まあ、本当に喜んで貰えたかどうか分からないが、多分、一度位は目を通して呉れるだろうし、自宅にあれば、その子供も一度位は読んで呉れるのではないだろうか、と思ったわけだ。 子供の頃読んだ名作は、印象も深く、その人の人格形成にもより大きな影響を与えるに違いない。 だから出来るだけ若い層に「モモ」を薦めたいと考えた。

そこで思いついたのが、「「モモ」を贈る会」だ。 これは以下のような活動を行う。

  1. 全国の小学校の図書室、市町村の図書館の司書に、蔵書の中に「モモ」が有るかどうかを尋ねる。
  2. もし無かったら、こちらから「モモ」を寄贈したら受け取って貰えるかどうかを尋ねる。
  3. もし受け取って貰えるなら、アマゾン書店を通じて「モモ」を贈る。
  4. ネット上の「「モモ」を贈る会」のサイト上に、「モモ」があると確認された図書館と、「モモ」を贈った図書館、そして今問い合わせ中の図書館のリストを掲載する。
  5. 会の趣旨に賛同する個人は誰でも会員に加わり、上記の活動を行うことが出来る。
  6. 出来るなら、この活動を海外にも伝え、拡げる。

さて、この考え方、どうだろうか?