長男とキャッチボール

帰宅して、家内と長女は即、着物を返しに伊勢原ダイエーに向った。 長男と僕は、キャッチボールを始めた。 我家でキャッチボールと言うと、ゴムのドッチボールを素手で投げ合うことなのだが、段々長男の球威が増して来て、そろそろ受ける側が危険になってきた。

今年春頃、僕の右手の人差し指が痛くてどうしようも無かった頃は、それを口実に(実際切実だった)キャッチボールの誘いを断っていたのだが、右手も完治した今は、久々に彼と一勝負するか、という気になった。

最初はユックリとウォーミングアップして、段々速い球を投げるようになる。 お互い力むとコントロールが乱れるので、出来るだけ相手の捕り易い処に、威力のある球を放り込む、という紳士協定での勝負だ。 明らかに捕球可能な球を取り損ねると「失点」である。

僕の方は、滅多にキャッチボールなんかしないので、多少体と筋力が大きいだけが利点になりつつある。 長男の体の使い方が段々無駄が無くなり、鮮やかに速球を繰り出すのを見るのは嬉しいことだ。 今年、富士見ッ子フェスティバルで、サッカーのシュート競争と、ドリブル競争、野球の的当て競走で高得点を上げた、という話を聞いたが、なかなか頷ける。

ふと気がつくと、右手の中指の第二節が、異様な形に膨れ上がっている。 触るとパンパンに腫れている。 どうやら長男の剛球を受けた時に、指の中の血管が破裂して内出血しているらしい。 やれやれ、これではもうキャッチボールを続ける気になれない。 長男に「降参」宣言をして、今日はおしまい。

長男はもう終りなのでちょっと残念そうでもあったが、自分が「勝った」と思ったせいか、文句も言わず、サッカーボールでリフティングを始めた。 ちょっと見ない内にこれも非常に上達していて、僕の見ている前で11回連続に成功した。 まあ、幸多郎君なんかは三桁軽く行くらしいので「桁違い」だけれど、サッカー倶楽部に所属していないにしてはなかなかのものではあるまいか?