小学校の入試問題

長男の入試準備もたけなわになってきた。 麻布やら栄光やら、神奈川から通える超一流校の中学入試問題を持って来て、分からない問題がある、というので、一緒に見てみたが、いやはや、やはり難しい。 他の学校の問題とは、格が違うな、と感じる。

僕自身、開成中学を受験して、あっさり落ちているんだが、その時の思い出が甦ってくるようだ。 江戸川台小学校の6年2組は、唯一開成に合格した高橋敏行君を始めとして、かなり勉強の出来る連中が揃っていた。 高橋敏行君が算数と理科で首位の時、僕は国語と社会で首位を占めて、クラスの主席争いを繰り広げていたものだった。

結局、クラスの中で、受験して合格したのは、開成に行った高橋敏行君と、桜蔭に行った大原早苗さんの二人だけだった。 高橋敏行君は大学は早稲田の建築学部に入り、結局同窓になったのだけれど、僕の敗北感は相当なものだった。 だから高校受験の時には早稲田大学高等学院に合格出来て、随分嬉しかったものだ。

国語、社会、理科は、まだしも、やはり問題は算数である。 僕には超一流の中学校の算数の(応用)問題を解くだけの才能が無かった、と思う。 小学校の算数は、ある程度までは努力で賄える部分もあるが、最後の最後、超一流の部分は、ある程度才能が必要だ、と思う。 もちろん、凄まじい問題消化量で、ありとあらゆる出題ケースをカバーすれば、相当のところまでは行けるだろうが、凡庸な小学生では、そこまでの時間を算数だけに割くことは難しいのである。

そして、小学校の算数は、中学、高校、大学に進んでも、難しい問題はそのまま難しい。 長男が持ってきた栄光学園の問題は、そんな想いを新たにさせる程の難問で、その一問を正答する為だけに30分はかかったと思う。 試験の時間は50分の筈なので、今、僕が受験しても、栄光学園には入れないかも知れない。 こんな問題を正答して合格して行く小学生達って、ある意味では僕より切れる頭だな、と思わざるを得ない。(っていうか、完全に負けてるだろ?)

僕の小学校時代には、父親は自営業で忙しく働いていたし、母親は三人の子供の世話と父親の商売の手伝いで忙しく、誰も勉強を見てくれる人は居なかった。 自分一人で四谷大塚の問題集に取り組んでは、殆ど出来ないままに毎週の日曜テストに臨み、毎回惨敗を繰り返していたものである。 最上位の中野クラスには最後まで上がることが出来ず、池袋クラス(二番目)に甘んじていたのが、やはり自分の実力相応だったのかも知れない、と思うと、今でもちょっと悲しくなる。

長男が、最終的にどこの学校を受験することになるのか、まだ分からない。 しかし、彼が僕を超えて、超一流の問題を突破してどこかの学校に合格出来ることを、祈らずにはいられない。