「戦闘妖精・雪風〈改〉」を読む

東京駅の本屋で買った三冊の本は、神林長平の「戦闘妖精・雪風〈改〉」と、梶尾真治の「もう一人のチャーリイ・ゴードン」、「フランケンシュタインの方程式」である。 神林長平戦闘妖精・雪風は、9月9日に読んだ感想も書いたが素晴らしい第二作を先に読んでしまっていたので、第一作を探していたのだ。

ワクワクしながら読み始めたが、期待に違わず、素晴らしい作品だと感じた。 「グッドラック・・・」の方ではピンと来なかった周囲の人々の感じも良く分った気がする。 実際には〈改〉と書かれている通り、1984年の原作に対して、2002年に若干の修正を加えて再版したものらしいが、作者によると殆ど大きな修正はしていない、とのこと。

実に緻密で面白い作品だと思う。 機械と人間、人間の存在意義、機械が人間を押し退ける場合、もしかすると、人間が機械に凌駕されて行く場面ではこういうことが実際起こるんじゃないだろうか、と本気で思わせるような、そんな作品だ。

雪風がプリンセス・プラスティックのシファと違うのは、生身に近い肉体や、柔らかな心を与えられなかったことだろう。 随分印象が違う。 いずれにせよ、僕にとっては、「機械vs人間」は大きなテーマなので、今後もこういったテイストの作品を追い続けることになるだろう。