長男が一分刈の坊主頭になったわけ

実際には6月31日の出来事だけれど。 帰宅して、いつもの三分刈にした長男の顔を見たら、オデコの上の生え際の真中辺りが、異様に短く、そこだけ3〜4センチ四方が一分刈になっている。 「どうしたんだい、ここ?」と聞くと、どうやら母親に刈って貰う時、彼女が間違えて「スキカル」のアタッチメントを付け忘れ、一部だけが短くなってしまったらしい。

さて、どうしたものか。 部分的に長さが違う髪、といえばモヒカン刈りなんか、結構、アバンギャルドで、小学5年生にしては凄いだろうが、頭の真中辺りに短い処があっては、今回はそう出来ないだろう。 かといって、このままでは余りに珍妙で、明日学校で笑われるんじゃないか、と可哀想になってきた。

長男は「う〜ん、このままで行こうか、それとも、短くなってしまった部分に合わせて全体を一分刈にするか・・・」と悩んだ挙句、「じゃ、全体を短くして」と決断した。(というか、「短い方が絶対格好良いってば!」と一生懸命おだてたのだけれど。) 不安そうだったが、まあ、実際には思い切って短い髪にしてみるのも、一つの体験としては面白いものだろう、と思って、やらせてみたかったのも事実だ。

家内がバリカンで全体を短くしたが、彼女自身が不安なせいか、チョコッと刈っては又別の処を刈る、という繰返しで、仕上がりを見に行ったら、まるでゴッホの絵のようなテクスチャーになってしまっていた。 仕方ないので、僕が出馬し、下から頭頂に向けて、ユックリと真っ直ぐにバリカンを進めてゆき、全体を仕上げたら、やっと綺麗なクリクリ坊主が出来上がった。

生まれた時に、うつ伏せ寝で育てたこともあって、彼は実に頭の形が良い。 だから僕も、家内も心から「本当にカッコウ良いよ!」と言ってやったんだが、ちょっと不安そうだったんで「からかう奴が居たら、そのジャリジャリした頭で紙やすり攻撃しちゃいな。」と励ました。 実際、彼の短い髪で腕を擦られると、結構痛い。 

「さあ、明日、クラスに入って皆にこの頭を見せるのが楽しみだなぁ!」と言いながら寝ていったから、まあ、大丈夫だろう。