ビデオ会議システム

今では別に珍しくないかも知れないけれど、それでも未来的なイメージには必ず登場するビデオ会議。(2008時点ではまだテレビを繋げて「テレビ会議」と呼ぶことも多いが、必ずしもテレビだけが画像出力先とは限らないから、正しくは「ビデオ会議」と呼ぶべきだと思う) 動画と音声だけならADSLと無料のYahoo!メッセンジャーでも実現出来るようになった今だが、何故か世間での評価があまり高まらないのが不思議である。

英国人の上司は香港駐在で、東京駐在の私とは電話と電子メールでのコミュニケーションのみ。 たまの出張も2003春時点のSARS騒動で殆ど不可能となり、今、新規のビデオ会議システム導入を建策している最中。 彼はビデオ会議を「Talking heads」(=単に喋る頭が見えるだけ)と馬鹿にしているようで、あまり乗り気ではないが、私にとっては英語力で劣るのをボディランゲージで補えるビデオ会議は有り難いんだけどなぁ。 表情の変化も見えるし。

代表的なサプライヤはPolycom社だろう。 ビデオ電話システムの王者と思われたPicturetel社を買収して、業界のトップに立った。 9/11の直後にはテロの恐れから出張代替としてのビデオ電話が注目され、株価が40ドル以上になったこともあったが、今は何故か10ドル未満(2003/5/1) SARSで出張が出来ないってのに、何故株価が下がる?

昔はISDNで従量課金の回線を使っていた為、無駄に会議を長引かせることは気が咎めたが、今ではADSL等で定額接続出来るので、東京~香港等の重要拠点間を、常時接続したままでつけっぱなしにする「香港の窓」や「東京の窓」を設置するのが私の夢。 そこでどのようなインタラクションが起こるのか、それとも何も起こらないのか?

同じことを繁華街やオフィス街で実施したらどうなるだろう? NYのロックフェラーセンターと、東京の丸の内に、常時接続の高精彩プロジェクタで双方の広場の動画を映し出したら、旅行者や出張者の集まる名所になるんじゃないかな? 人集めに苦労している施設なんか、どうでしょ、こういうアイディア?

ブロードバンドに措ける最大にして最強のコンテンツは、個人間のビデオ電話だ、というのが私の前々からの思いなんだけれど、どうなのかな?

題名を失念してしまったけれど、星新一の作品で、全国各地に無数のテレビカメラが取り付けられ、居ながらにして観光も会合も間に合わせられる、という世界が30年以上前に描き出されていたのを思い出す。 慧眼。

いずれにせよ、定額の高速接続が安価になることで、ビデオ「会議」システムは、ある時間帯だけ繋がるものから、常時そこにある「窓」の方向に進化してゆくものが出てくるだろう、と思う。 別の進化の方向については、他のキーワードを立てる予定。

2006/10/27追記
このKWを立てて3年経った今日、初めて、会社のメインオフィスと支店の間をビデオ会議で結んで双方の画像をプロジェクタで映し出しながらの「Cyber Pizza Party」を行った。 セッティングがイマイチで最初音が出なかったりしたが、最後にはOK。 しかし情報システム部がケチって回線にADSLを使ったせいか、動画の品質が余り良くなかったのが残念。 次回はサイバー・ボジョレーヌーボー・パーティを行う予定なので、それまでに光ファイバー回線に改善して貰えると嬉しいんだけれどな。 今後もこれを継続して、そのうち段々に社内に「どうして毎回スイッチ切らないといけないんだ?」という素直な疑問が湧くように仕向けたいと思ってます。

2008/12/21追記
最近のポリコム社の製品リリース。 HD(ハイデンシティ)規格に準拠した以前とは比べ物にならないような高精細な動画が使えるようになってくると同時に、統合社内コミュニケーションのツールとしても売り込みたい模様。 今後、ビデオ会議、電話会議側から入ってくるポリコムと、ルータ側からIP電話=>ビデオ会議へと展開しようとするシスコ等の竜虎の対決が見られるのではないだろうか? そこでタンバーグ社はどういうポジショニングを取るのか? 日本のソニーは? 


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ソニーも製造販売
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