携帯電話用ヘッドマウントキット

小心者ゆえ、携帯電話で通話するたびに、脳に至近距離で強い電波が発射されているんだろうなぁ、なんてドキドキする。 それが毎日続くのが嫌になり、短いマイクと片耳用のヘッドフォンがセットになったヘッドマウントキットを購入した。 神保町のキムラヤで、大体1,400円程。 オフィスのデスクのセッティングが左耳でデスクフォンの受話器を使う形式なので、右耳に携帯用ヘッドセットを付けている。 Auの携帯電話はズボンの右のポケット。

【使ってみたメリット】

胸の辺りに受信のスイッチがぶら下がり、案外着信は便利である。 大抵、人がこういった製品を使うのは自動車運転中なのだろうが、完璧な紙運転手である私は、ここ二日間、「オフィスでヘッドセットつけっぱなし」を試してみた。 案外社内の人々は「あれぇ、それって携帯の?」とか「未来的だね」という程度の反応。(多分、背後で哀れみに満ちた眼差しを投げかけられているんだろうな。)

歩きながらでも両手自由の状態で話せるのは、結構快適だが、要するに「虚空に向けてブツブツ独り言を言いつづける変な人」をやってる訳で、人の多い所ではちょっと気が引けるナ。 職場から東京駅までの帰途、皇居のお堀端でこれをやるのは、多分平気だろうけれど、職場の通路を歩きながらだと受け入れられるかどうか? しかし自席でも通話中にハンズフリーでパソコン操作しながら色々喋れるのは思った以上に快適だった。

他のメリットとしては、音声メモを取る時、本体のボタン操作で録音開始、停止して、虚空に向けて覚えるべき事柄を小声で喋ればOK、というところだろうか。 録音を再生する際も一々本体を耳に当てなくて済むのは面倒が無くて有難い。 又、片耳のみに引っ掛ける形式なので、圧迫感が少なく、長時間つけっぱなしでも殆ど気にならない。

【欠点・改良点など】

長所と同時に短所でもあるのは、イヤフォン部分が耳に十分密着しないので、騒音のある場所だと手でイヤフォン部を耳に押し付けたくなることだ。 実際、交通量の多い皇居お堀端を歩きながらの会話では、時々そうしないと相手の声が聞き取れないことがあった。 車運転時の使用を想定していると、危険回避の為、片耳を完全に携帯用に塞いでしまうようなイヤフォンはまずいんだろうが、歩行用ではそういうタイプも出して貰えないものだろうか?

又、先方に自分の声がちゃんと聞こえているのか、というのも若干不安である。 その点では固定式電話機の大柄な受話器にはどうしても敵わない。 マイクの棒がもう少し長くて、口元近くまで届いていれば、心配しなくて済むのだろうが、慣れるまではどの程度の声で喋るとどの程度に聞こえるのか、良くわからない。(これは本当はヘッドセットを使っていなくても、同じことが言えると思うんだが、人間は自分の手にマイクを持つと、安心する部分があるのではないだろうか?

ケーブルが邪魔なのも欠点の一つ。 上着を着ると操作ボタンに手をやりにくくなる。 混雑した列車に乗ると、ケーブルが無事かどうか、気になってしまう。 ヘッドセット自体、軽量で気にならないサイズなので、洗面所でうっかりしてヘッドセットごと顔を洗ってしまいそうになる、というのも欠点かも知れない。(日常防水仕様にしてくれ、とまでは言わないよ)

他の音声系のユニット(例:MDプレーヤ、PC音声出力、卓上電話等)とイヤフォンやマイクを共有出来ないのも、残念なところである。

【そういえばBluetoothヘッドセット】

先月、香港に出張した時、九龍地区の電器屋の店先にソニーエリクソン製の「Bluetoothヘッドセット」というのが置いてあった。 想像するに、Bluetooth対応携帯電話となら、ワイヤレスで音声入出力出来るし、Bluetoothユニット付PCとも、音声入出力が出来るんだろう。 ケーブル部分が無いし、複数の機器が単一のヘッドセットを共有出来るのは、極めて便利だろうな・・・・ と思っていたところで、気が付いた。 それじゃ、又、脳味噌の至近距離で電波交信開始じゃないか!

Bluetoothの電波は、携帯電話のそれよりずっと微弱なんだろう、と想像する。 しかし、最終的には精神安定の見地からすると、Bluetoothユニットは腰の辺りに付けて、ヘッドマウントユニットまでは有線、ってのが欲しい気がする。
URL
http://www.zdnet.co.jp/news/bursts/0202/21/11.html