枋迫篤昌

航空機のパイロットを目指していた理系青年が、偶然就職した都市銀行で有望な銀行マンとなるも、留学先のメキシコで激しい「貧困」に出会い、自分の人生を「貧しい人々の生活を向上させるような金融システムを作りたい」という目標に向けて走り始める。 それから20年以上経って、本当にその目標を実現し、発展途上国からの貧しい出稼ぎ労働者の人たちに、利用可能な金融システムを提供することを実現する、マイクロファイナンス・インターナショナル社を2003年6月設立。 

それまで、週に働いて稼いだ200ドルを、故郷の家族に送金しようとすると、銀行口座の無い出稼ぎ労働者は換金・送金等の手数料で何と35%も取られてしまっていたそうです。 それを、彼の設立したマイクロファイナンス・インターナショナルの子会社「アランテ・ファイナンシャル社」は、200ドル以下なら7ドル、300ドルなら3.3%、1500ドルなら1%未満と、業界平均(12%~15%)より驚くほど安い手数料で取り扱えるようにしたそうです。

2009年1月16日に、枋迫篤昌さんの講演会を聴いて来ました。 ゆっくりとした口調で、能弁からは程遠いような語り口なのですが、力強さが伝わってきます。 一番下のメインリンクにも書かれているのですが、貧しい人たちの力になりたい、それも現実の世界で継続出来る形で、という強い意志が感じられました。

マイクロファイナンス・インターナショナルについて

起業経緯

マイクロファイナンス・インターナショナル・コーポレーションは、2003年6月、元東京三菱銀行ワシントン事務所長の枋迫篤昌(とちさこ あつまさ)が設立しました。
東京銀行時代12年以上に亘る中南米駐在経験から、『経済の血液である「金融」を社会の隅々まで送り届ける役を担う「銀行」が社会の底辺層に対しては全く使命を果たせていない。金融業務に携わる者の責任として、最も需要の多いこの層に対しても適正な金融サービスを提供するインフラを作ることが必要』だと認識したことが起業の理由です。
巨額の移民送金が、国によってはGDPの20%を超えて最大の外貨収入源になっているにも関わらず、その潜在経済効果がほとんど生かされていないことを踏まえ、先端金融技術とIT技術を駆使して巨額の移民送金の流れをマイクロファイナンスの活性化に結びつけるビジネスモデルを考案しました。マイクロファイナンスが途上国経済の発展に有効であることは、今日世界的に認知されています。

また、出稼ぎ移民を受け入れる側の先進国では、移民に対するサービス提供体制を整えている金融機関がほとんどない状況に鑑み、「一ヶ所で必要なサービスすべてが受けられる移民専用リテールサービス」のモデルを作り、小規模金融サービス店舗網を展開することにしました。
枋迫が27年に亘る銀行勤務で培った金融専門知識を最大限に生かすと共に、『どんな顧客層にも思いやりの気持で接し、必要とされるサービスを良心的な価格で提供して、顧客それぞれの「小さな挑戦」を支援する』という信念を具体化したものです。

マイクロファイナンス・インターナショナルは、先進国在住の出稼ぎ移民と送金に頼って生きるその家族、両方が適正な金融サービスを利用できる仕組みを作ると共に、途上国の草の根的経済発展に寄与しています。

会社所在地
本社(米国ワシントンDC)
1090 Vermont Av., NW, Suite 1250
Washington, DC 20005, USA

2008年 日経BP社 第7回 イノベーター大賞 受賞
日本人初のアショカ・フェロー

今、世界の経済が不安定になっていて、枋迫さんのマイクロファイナンス・インターナショナル社がどういう状態なのか良くは分からないのですが、世界の人々の為に必ずニーズのあるビジネスだと思われるので、今後も着実に前進されることを祈願して止みません。

2010/01/31追記
非常に簡単ですが、何故、マイクロファイナンス・インターナショナルの送金方法が、既存の送金方法より安価に取り扱い出来るのか、という概略説明と簡単な図入りのページを見つけました。 

住所
1090 Vermont Av., NW, Suite 1250, Washington, DC 20005, USA
年(代)
2006/06
人名
枋迫篤昌