電子黒板

組織で仕事(打合せ)するなら必須。 数人以上で打合せする場合にはこれがあると無いとでは、効率が随分違う。 これが出てくる前は、打合せの最後に下っ端がノートに議事を書き写したりしていたものだ。 本当に便利である。

実は(多分)黒い電子黒板は存在しない。 ほぼ100%白地にペンで記入するタイプだろうと思う。 黒板が白板に取って代わられる時期の後半辺りに登場してきたせいで、呼称が「電子白板」になり損ねている、と思うんだが、誰もが、余程の偏屈モノでない限り、ごく自然に「電子黒板」と呼ぶ。(ビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)
http://www.jbma.or.jp/about/... には、「電子黒板部会」 http://www.jbma.or.jp/about/... なんてものもあったりする。)

電子黒板は、嬉しいことに日本で発明されたらしい。 少なくとも1985年には松下電送が販売開始だから、それ以前に開発されたんだろう。 最初の電子黒板をどこの誰が作ったのか、ネットで調べてみたが、今のところ発見出来ていない。(多分電子黒板部会辺りには資料が集まっているに違いないと思うが)

最初は白い幅広帯が板の周りを動いて、スキャナが書き込んだイメージをファックスと同じ要領で読み込むタイプだった。 その内に、スキャナ部分が動くタイプ(書いたものだけじゃなく、模造紙なんかもスキャン出来る) http://www.uchida.co.jp/osyohin/... が出てきたり、表裏二面じゃなくて3~4面も書き込めるタイプ等、様々な工夫が加えられてきた。

最近ではPCと連動する為、ペンの位置を探知してデジタルのベクトル情報に転換し、遠隔地とのコラボレーション機能まで備えた機種(ミミオ
http://www.kokuyomimio.com/ )なんかも出現。 携帯性も高まり、段々「電子黒板のある場所が会議場所」というイメージでもなくなってきつつある。

ミミオの血筋より更に過激なのは、「デジカメ撮影」派だろう。 これは、普通の白板に書いたイメージを、デジカメで撮影して、後でファイルを参加者に転送してオシマイ、という手法で、ヘタをすると電子黒板の息の根を止めかねない。 だって電子黒板よりデジカメの方がずっと安いし、デジカメなら黒板以外のもののイメージも取り込めるからだ。

これに対応して、電子黒板からアームを張り出させて、そこに電子黒板専用のデジカメを取り付けて、撮影データを自動的に参加者に送る、ウェブに上げる、といった製品も開発されているようだ。(が、私の予想では徒花になりそうな気がする。 結局、情報機器は個人個人に所属するようになるトレンドなのだから。)

電子黒板は、ある意味ではオフィス空間の存在意義そのもの、と言って良いと考えている。 電子的に結ばれ、情報がネットで流通するようになった現在、人と人が集い、直接情報交換して新たな情報を創り出す、その営みの中心に位置しているのが、電子黒板だから。

もし将来、物理的な電子黒板自体が必要ない、という時代が来たなら、その時、我々は本当の意味で「SOHO」で、又はアルビン・トフラーが「第三の波」で述べた「エレクトロニック・コテージ」で働くようになった、ということだろう。 その時には、ネットで繋がった人々の間でヴァーチャルな電子黒板が活躍しているに違いない。