再読:第三企画室、出動す ~ボスはテスタ・ロッサ
関心空間のアーカイブをチラチラ読んでいたら、2009年頃に書いた
というキーワードが目についた。
結構好きな経済小説だったので、まだ日経BPのサイトに残っているかな、と思って、リンクをクリックしてみたら、残っていた。 で、折角の振り替え休日に、只管、文庫本2冊分のネット小説を読み耽ってしまった。
日本が衰亡しつつある時期の、新日鐵(を救うというミッションを帯びた3人)をモデルとした小説なのだが、今読んでも実に面白いし、話の内容が古びていない。 結局、新日鐵は新日鉄住金となって、インドのミタルからの買収を免れ、今の処は日本の会社として活動しているが、世界経済の非情なシステムを思い知ると同時に、根源的には今でも全く問題は解決していないことを感じる。 それどころか、7年経過して、事態は更に悪化しているのだ。
今の日本でまだ活動しているとしたら、作中の痛快な親父、旭山社長は、どんな考えを抱いているだろうか。 最近の作者の阿川大樹氏は、寡作ながら書き続けているようだから、そのうち、続編を書いてみて貰いたいものだと思う。