上海出張が気がかり

朝起きて新聞を読んだら、小泉首相靖国神社に参拝したとのこと。 早速中韓が不快感を表明している。 香港人の同僚からも、一人で上海の街をふらふら歩かないように、と注意される。 明日の夜から上海出張で、今回は少しは街を歩けるかな、と期待していたのだが、とてもそんな雰囲気では無さそうだ。

個人的には戦没者を祀ることは国家にとって必要なことだと思う。 暴力装置である国家の存立の基盤である軍の行動によって命を落とした人達を祀らなければ、国家の本当の力の源泉が枯渇してしまうであろうから。 しかしそれは国家にとっては必要でも、個人にとっては不快な強制である。

関心空間で最近よく日記を読ませて貰っている昌仁さんなんかは、とても良く勉強していて、読書しては色々書き込んでおられるのに、僕は余り勉強せずに生半可なことを書いて内心忸怩たるものがあるが。

欧米を旅しても、アジアを旅しても、どんな街でも一番目立つ場所に、英霊を祀る碑がある。 日本も国家の端くれなら、それは必要なことだろうと思う。 しかし、靖国神社の場合、A級戦犯と一緒に祀られている他の戦没者を、切り離して祀ることは出来ない、ということになっているようだ。 そして(僕の理解では)それが中韓の逆鱗に触れることなのだと思う。 日本の中韓への進出(侵略)は過ちであり、それを行った邪悪な者達に敬意を払うことは、歴史的に「日本の侵略」を正当化することになる、という理屈なのだ、と理解している。 本当のところ、そうなのかどうか、今年こそもう少し勉強したいとは思うのだが、色々な説、色々な論が乱舞していて、自分がどの側に与するか、まだ完全には判断出来ていない。

しかしいずれにせよ、この件がもとで中韓と感情的な対立に突入するのは、あまり嬉しいことではない。 出来ることなら円満な方法で解決したいものである。(言うは易し、行うは難し)