ワークシェアリング

ワークシェアリングは、通常のいわゆる「フルタイム」の仕事を、二人以上の人間で分けて行うような、イメージであろうか? 

欧米では比較的古くから行われているらしい。

数年前、Openwave社で引越しプロジェクトを行った際に、米国の本社から指定された標準のデスクが、北欧製のレバーの回転だけで高さを自由に変更できる非常に使いやすいデスクだった。 製造元の技術者にどういう経緯でこのようなデスクが開発されたのか尋ねてみたところ、北欧では失業率が高くて、比較的古くからワークシェアリングが行われていたので、同じ事務所の同じ机を午前と午後で違う人間が使うことも珍しくなく、そういった場合に体格が全く違う人が簡単に仕事し易い環境に変更出来るよう、このようなデスクトップ上のレバーで昇降出来るような机が開発されたのだ、という説明だった。

そのときは「ふぅん、そうなのか」で終わっていたが、今考えてみると、最初にその机が開発されたのが20年前だそうだから、北欧でのワークシェアリングの歴史はそれ以上に長いのだろうと思われる。 そしてそれだけの長い試行錯誤を経たからこそ、社会の中に溶け込んで定着してきているのだろうと思う。

今の日本の社会では、一つの仕事を二人で分け合う、というようなことになると、引継ぎや何やらで面倒、というイメージが先行して、とても大変そうに思えるが、長い年月、そういう仕事の仕方を試行し、一つ一つ困難を潰してゆくことで、社会の中の「失業」を減らし、同時に過大な勤務時間を適正化することが出来るのではないだろうか?