長女が借りてきた「宿題引き受け株式会社」を読む

1966年に初版が出た「宿題引き受け株式会社」(古田足日・作)を初めて読んだ。 有名な作品で何度も名前は聞いていたのだが、実際に読んだのは始めてだった。 大卒の初任給が2万円位だったり、プロ野球にスカウトされた有望新人の契約金が1,000万円だったりする辺りに時代の違いを感じる。

しかし、取り上げられているテーマは、未だに重要なものが多いと思った。

  • 何のために勉強するのか
  • 野蛮と文明の差異、現代の野蛮とは?
  • 合理化で人間は幸せになれるか
  • 機械化・IT化で仕事が減る
  • いじめは何故起こるのか
  • 子供の権利とは

夜中に読んだので少し頭が廻らず、未消化な面もあるが、面白い作品だった。 初版ではアイヌ民族の物語が話中話として出てきて、それが「野蛮」の一例にされていたらしいが、それを指摘され、反省して、大幅な改定を行って1996年に(つまり30年後)改訂版を出している。

まだ日本が比較的貧しかった時期の話(高度成長期に向かって離陸しつつはあった)と理解したが、社会や人間への視点・問題意識は今の僕と大して変わらない。

夕刻、長女が一生懸命読んでいた。 小学校三年でこれを読んで理解出来るのかしらん?と思ったが、「分かるし面白い」と言っている。 本当に分かってるのかな、とも思ったが、案外ロジックが強いところもあるので、もしかしたら本当に理解出来ているのかも。 だとすると嬉しい。