台風の被害を確認に行く

家内の両親が、車で20分程の処に小さな東海大学の学生向けアパートを持っていて、その屋根や壁面に、台風で飛来したスレート瓦のようなものが当たって傷がついている、という。 家内と義理の両親が、一緒に見てくれ、という言うので、車で見に行った。

どうやら、風が最も強かった時間帯に飛ばされたらしいスレート瓦が、アパートの二階の共用通路の二メートル位の範囲に散乱し、その壁に突き刺さったり、傷がついたりしている。 その更に上の屋根の鉄板がベコンと凹んでいる。 共用通路側外部に取り付けられたガス湯沸し器の筐体も、強烈な衝撃の後で大きく凹んでいる。 余程凄い勢いで物が当たった、というのが良く分かる。

早速家内が写真を撮り、既に現場を見てくれていた、セキスイの社員と少し話して、見積もりを出して呉れるように依頼した。 気がつくと、屋根の上に、相当量のスレート瓦が残ったままになっていて、更に一塊の壊れた家屋の部材のようなものも、屋根から半分はみ出した形で残っているので、セキスイの人と一緒にそれを下に降ろし、安全な場所に積み上げた。

保険では20万円以上の損害からは保険金が下りるようになっているらしい。 多分、これだけの損傷だったら、十分に20万円は超えると思われる。 ネット上では、正直ベースで見積もりを出して貰って、保険会社から余分に保険金を貰おう、などと思わないこと、と書かれていたが、確かに、そんなことはやらない方が良さそうである。 しかし、損害が出た分は、ちゃんと貰いたいものだ。

アパートの近所の家屋が、屋根が損傷していて、青い養生シートで半分覆われている。 この家が元凶だったらしい。 一応、その家の家主にも来てもらって、そこの家の屋根から飛来した瓦が、どういう損害をこちらのアパートに与えたのか、見て貰った。

後で、家内の両親が火災保険会社に連絡して聞いた処では、どうやらこういったケースは、自動車同士の事故等と違って、瓦を飛ばして損害を与えた側が賠償する、という風にはなっていないらしい。 アパートへの損傷は、全部、火災保険会社と義理の両親の間で、どのレベルの損害保険金を出して貰えるのか、交渉するらしい。 ということは、瓦を飛ばした元凶の家の家主を呼んできたのは、無駄だったようである。

これは、素人の常識とは食い違っていて、面白いと思った。 台風で瓦が飛ぶような、危険な建築物を放置していた、ということで、損害の責任は家主にある、と考えていたのだが、そういった責任は、問われないらしい。 

それでは我が家が火災保険に加入していなかった場合には、泣き寝入りになるのか、と思うと、随分怖い話でもある。 地球規模の温室現象で、今後、台風が(米国ではハリケーン)激しくなるのではないか、と考えているので、来年以降も今年同等、もしくは更に激しい台風が日本列島を襲うとすれば、火災保険には、十分な金額で加入しておかざるを得ない、と思った。