ヒースローでの浮き沈み

自分の旅行史上最も重いトランクを引きずってGreen Park駅に着き、20段程の階段を死ぬ思いでトランクを下ろした。 あとは地下鉄一本でヒースロー空港のターミナル4で降りるだけ。 しかし結構、朝早い列車なのに混んでいる。 途中で座ることが出来たのは幸いだった。 NYCのブリティッシュエアウェイで頂戴してきた小さなビスケットのパックの最後の二つを食べて、空腹を紛らわす。

ヒースロー空港に着くと、異様に混んでいる。 日曜日なので、来週のビジネスに備えて、出発する人達が多いのかも知れない。 カートに積んだ荷物を押してチェックインすると「悪いニュースがある、貴方のビジネスクラスのチケットだが、オーバーブッキングで席が無いので、一旦エコノミーに移って貰うしかない」とのこと。 やれやれ、NYCからのフライトではファーストクラスだった(と思った)ので、運が良いと思ったが、今度は運が悪いフライトなのかな?

メンバーラウンジに行くと、食事もあまりまともなものが無い。 飲み物と、クロワッサンやマフィン、フルーツ程度。 このフライトでは、余り眠らず、インドに夜中に着いてから、がぁ〜と眠った方が良さそうに思えるので、アルコール類は絶つことにした。(そもそも、一人でアルコール飲んで何が楽しいんだか、僕には良く分からない)

自宅に電話したが、誰も出ない。 今は日曜日の夕刻の筈だが、もしかして家内が子供たちを連れて外出してしまっているのかも。 江戸川台の両親に電話したら、居て、父と母と少し話した。 今はこうしてリアルタイムで接触することが出来るので、随分精神的には楽だと思う。 昔の船旅時代だったら、どんなに寂しかっただろう。 母にビジネスクラスからエコノミーへの格下げの話をしたら、笑っていた。 人生、苦も有れば楽もあるさ。

軽く食べてから、ラウンジの受付に僕の席の状況を再度チェックしたところ、ビジネスクラスに空きが出来て、結局ビジネスクラスで飛べることになったらしい。 有難い。 仮にエコノミーに座って行くとビジネスクラスとの差額が払い戻される予定だったのだが、この長丁場の旅では、体力温存の方が優先である。

今回の席は、1階だった。 そこで気がついたのだが、NYCからロンドンに飛んだ席も、実はファーストクラスではなく、あれでもビジネスクラスだったのである。 1階席には、更に運転席寄りに、もっと幅の広い、より豪華そうな座席が20席位用意されていた。 あれが本当のファーストクラスなのだな。 妹たちには、家族メーリングリストで「ファーストクラスに乗った」と自慢げに書いてしまったが、どうやらあれは貧乏人の錯覚だった、と訂正せねば。 それにしても、ビジネスクラスでもこういう寝転がれる座席を用意するとは、British Airway、侮れない。