アメリカン航空AA176便

ビジネスクラスなので、滅茶苦茶に広い。 思い切り足を伸ばしても、前方の席を蹴ることさえ出来ない。 当然、前方の席の下に押し込んだ機内持ち込み荷物のデイパックにも手が届かないのが、ちょっと困りものである。 普段はあまり意識していなかったが、前方の席が近いと、そういう利便性もあったんだな、と。

担当のステュワーデスは、随分年季の入った太目の白人のお婆さんである。 日本の航空会社では絶対有り得ない程の歳で、おまけに英語しか喋らないときているので(まあ、僕の場合は構わないけれども)日本人には結構厳しいかも知れない。

食事は日本食を選んだ。 アメリカン航空のお手並み拝見、と思ったのだが、割と悪くは無かった。 成田を昼の12時に飛び立って、多分13時半頃にはもう、食事が出ていたと思う。 それも所謂「ディナー」である。 時差の関係で、食事の前から、窓を閉めるように言われて、機内を暗くして、乗客を強制的に眠らせてしまう、という作戦のようだ。 まあ、それも良いかもしれない。 僕も昨夜からあまり睡眠を取れていなかったので、案外良く眠ったように思う。

機内では、ヘッドセットの貸し出しサービスがあった。 いやに仰々しい入れ物に入ったものが配られてくるので、おや、と思ったら、なんとBoseのヘッドセットである。 呉れるのではなくて、着陸一時間前に回収するからね、とちゃんと書いてある。 流石に音質は素晴らしい。 来週月曜日からの英語漬けの生活に備えて、音楽ではなく、機内ラジオとでも言うような、ビジネス情報の番組を聴きながら眠った。 案外面白くて、聞き取り易かった。

機内でうんとパソコンを使おうと思っていたのだが、昨夜からの疲労で、実際にはフライトの最後の一時間程度しかPCで仕事出来なかった。 

最初、室温が非常に低く、ウィンドブレーカを着た上に、更に毛布を羽織ってやっと凌いでいたのだが、一眠りして起きると、今度は結構暑くなっていた。 どうやら右斜め前辺りにいる老婦人達が、寒すぎると文句を言ったようだ。 僕も全身にしっとり汗をかいていた。 ヘッドセットも、革製の耳あてが災いして、ちょっと汗ばんでいる。

まあ、そんなこんなで色々あったが、無事にダラスに着き、気持ちよく乗換えに向かった。