湘南ライナーに乗る前の電話の哀しみ

いつも19時30分の湘南ライナーに乗る前に、家に電話して家内に「今からライナーで帰るけど、何か買って帰る物、無いかな?」と聞くのが習慣になっているのだが、これが実は彼女には迷惑らしい。 この時間帯は、夕食の準備、長女を風呂に入れる、長女と夕食を食べる、等で忙しいらしく、大抵は「無いわよ」と冷たく言われてしまうのである。 今日なんか「何か買ってきて欲しいものがある時にはこっちから電話するから」とまで言われてしまった。

しかし、彼女は僕が一日忙しく働いて、湘南ライナーに乗る前に、家族の声を聞きたい、そして、ふっと緊張の糸をほぐして帰り道の一時間をゆるやかな気持ちで過ごしたい、と願っていることが分かっていないのである。 別に買い物をしたい訳ではなく、家族の声を聞きたいだけなんだけれどね。 子供達と一緒に過ごす時間が僕よりずっと長い家内にとっては、そういう思いは分かり難いものなのかも知れない。