Mapo(麻浦)の街をちょっと散策

昨日は夜中2時頃までデータベースを入力したり、いろいろやっていたので、起きたのが8時半過ぎ。 今日は午後3時のJAL金浦空港からの便なので、12時頃にホテルを出れば十分間に合う。 有難いことにホリデーインのチェックアウト時刻も12:00なので、ゆっくり出来る。 昨日、韓国のセールスのマネージャーであるSeokさんが誘ってくれた北朝鮮との国境地帯DMZを見物に行くには時間が足りないが、一時間位、ぶらぶら出来そうだ。 仕事が一段落したら、もう二度とこの辺りには来ないかも知れないと思ったので、デジカメを片手に、いつも通う我々のオフィスビルの先の、ごちゃごちゃした商店街のような処を歩いていってみた。

実は、ビルの前の看板に「漢江公園350m」と書いてあったので、その公園とやらに行ってみよう、と思ったのだが、実際には350m以上歩いても、全然それらしきものも見えなければ、こっちだよ、という次の立て札も無い。 まあ、別に公園に行っても何をする、という訳でもないから、そこらへんの風俗を楽しみながら、ぶらぶらすることにした。

麻浦の街は、飲食店が多いが、少し裏側に入ると、煉瓦造りの立派な邸宅が並んでいる。 流石にソウルは古い都なので、少し中心部から外れたこの辺りでも、結構昔から人口が多くて古い街並が形成されていたんだろう。 その古くて渋い街並と比べると、ひどく浅薄でけばけばしい飲食街が残念な感じもするが、その辺りが又、今の韓国らしいのかも知れない。 しかし、建材が主に煉瓦で統一されているので、少し裏の方の街並が日本のそれよりもある意味では美しく感じる。 日本もこういう具合で規制をかけたら、余程美しい街になるに違いないとは思うのだが。(地球温暖化を阻止する一環として、炭素を固定した建材を使うことにすると良いかも)

麻浦を通る大通りと、飲食街の交差点に我々の今のオフィスがあるのだが、その付近は新規に開発された超高層アパートが沢山建っている。 心のゆとりなんざ糞食らえ、とでも言うような凄い高層建築が、全く情け容赦なく立ち並んでいる。 一般にソウル近郊の住宅街というのは、この手の均一なデザインの超高層アパート群が非常に多い。 まるでエンデのモモの中に出てくる灰色の男達に支配された後の人間の街みたいだ。 こんな環境で育った二世代、三世代後、韓国人のメンタリティはどうなって行くのか、ちょっと興味がある。

超高層アパートの壁に「現代101」、「現代102」、「Sumsung103」、「Sumsung104」なんて具合に、建物IDが大書されているんだが、これはもしかして、建物の名称を建築主が財閥に売却して命名権を与えたってことだろうか? 同じデザインでも違う財閥の名前が出ている、ということは、多数の建築物の名前を看板の一種として販売した、ってことなんだろうか? 日本で言えば「三菱101」、「三井102」、「住友103」といった感じになるんだろうか? それともまさか、あの現代101に住んでいるのは全部現代財閥の関係会社の社員だけで、あれは実は「社宅」だとか? それならある程度納得行くが、あんな巨大なアパートを社宅にするというのは驚きだ。

あれやこれや、考えながら、写真を撮りながら歩いていたら、あっというまに一時間経って、ホテルに戻った。 今度来た時には、SさんやJ君やEKに、この命名の理由なんかも聞いてみよう。