金浦空港で停電、30分暗がりで「立ちんぼ」する

今日も朝から羽田経由金浦空港行きの韓国出張である。 最近韓国のことばかり日記に書いているような気がするが、それは出張の移動中位しか日記を書く機会が持てないということもある。 又、韓国に来ると、やはり地下鉄内の乞食や物売り等、日本では見られなくなったものがあるので、書き留めておきたくなる、ということもある。 

今日も何か面白いことがあるかな、と期待して空港に降り立つと、出国ゲートへの通路の途中で急に辺りが暗くなった。 おや、と思ったら、あらゆる電灯が消えている。 ビルのブレーカーが落ちたか、停電になったらしい。 やれやれ、やっぱり韓国だな、などと思いながらも、出国ゲートに着き並ぶ。 手続き用のコンピュータも落ちているから、手続きが出来ない状態が続く。 時々パッと明かりがついて、「やっと復旧か」と思わせるのだが、30秒ほど経つと、また消える。 その繰り返しで30分位暗がりの中で皆が立ちんぼうしていた。

出国ゲートの責任者らしい中年の男が出てきて、偉そうに歩き廻っているのだが、ポケットに手を突っ込んだまま横柄な態度で周囲の係官に話し掛けている。 立ちんぼうになっている旅客には見向きもしない。 そのうち、生理現象で我慢できなくなった人達が、ぽつぽつと列を離れてトイレに行ったりし始めた。 僕も行きたかったが、たった一人なので、列を離れると多分最後尾に並び直さなくてはならないから、もう少し、もう少し、と我慢をしていた。

30−40分も経っただろうか、やっと電源が安定したらしい。 手続きが始まった。 列の前の方に並んでいた白人連中と、その周囲の英語の分かるらしい日本人が何人か、笑いながら拍手していた。 白人はこういうときにジョークで周囲を笑わせたりして、空気を和ませるのが巧いな、と改めて思う。 日本人だけの部分では、殆ど誰も口を利かず、押し黙って立っていただけだった。

韓国人専用のゲートからやっと外に出ようとしていた旅客の中の、年配のおじさんが、さっきの横柄な責任者にハングルで食って掛かった(ようだ)。 多分、これだけ皆を待たせておいて、何の説明も無いのはどういうことだ、という内容だったのだと推察する。 暫く言い合いが続いていたが、責任者が長い旅客の列に向き直ると、ポケットに手を突っ込んだままで、何かハングルで説明した。 でも韓国人専用ゲートの顧客じゃないので、多分、誰も言っている意味が分からない。 普通はこういう事態が起こったら、日本語と英語の話せる人間を連れてきて、何が原因で、どれ位で復旧するのか、申し訳無かった、の三点位は伝えないかね?

ゲートを通って荷物受け取りに行くと、やはり機械が停まっていた為か、まだ僕の荷物は出てきていなかった。

やはりこれが韓国という国の現在の実力なんだろう。 昨夜、韓国オフィスのIT担当のJ.L.君と、情報システムへの金の掛け方について議論していたばかりだが、やはりこれだけ基盤システムが不安定で、かつ関係者の誠意が低い社会では、ある程度手厚くシステム側に投資しておかないと、危ないだろうな、と痛感させられた。 

★今、これを書いている最中、今度は地下鉄の中で、目覚まし時計のような物を売る男の物売り、次にはサロンパスみたいなものを売る女がまた大声を張り上げて売り始めた。 これはどうやら定常的なビジネスの一つらしい・・・