大失敗、金浦空港に忘れ物をする

韓国はまだ寒いんじゃないか、と思い、ダウンジャケットを着て来たのが完全に裏目に出て、麗らかな春の陽射しに汗ばみながら地下鉄に乗り込み、金浦空港に到着。 空港内も相当暖かくて、とにかく早くダウンジャケットを脱ぎたくて堪らなかった。 それが悲劇を呼んだ。

打ち合わせでオフィスを出るのが遅れたので、早く出国手続きを済ませ、早めに37番の出発ゲートに行こうと思った。 そしてゲートに着くと、小さなサンドイッチを買ってほっと一息入れ、ベンチの右側に荷物、左側に忌々しいダウンジャケットを脱いだ。 そして一生懸命メールを書いたりし始めた。

で、45分ほど経って、搭乗のコールがあった時に、荷物だけ持って、ダウンジャケットのことをすっかり忘れて搭乗してしまったのである。 こういうパターンの忘れ物は昔から結構良くやっていたのだが、最近殆ど無くなっていたので、油断していた。 JAL機が羽田に降り立った時に、いやに身軽なのに気がついて「うぉ、しまったぁ!」というわけである。

仕方が無いので、入国手続きを済ませ、自分のトランクをピックアップして税関を抜けてから、すぐにJALの国際線カウンターに行ったのだが、なんせ一日一便しか飛ばない羽田〜金浦線だから、朝のフライトが終わったら店じまいしてすっかりカウンターはもぬけの殻である。 次は国内線発着の建物に無料バスで移動して、JALカウンターに助けを求めた。

エージェントの女の子も、JALの若い女性社員も、弱ったな、という表情で、色々電話して呉れていたようだが、結局後で分かったのは、僕が誰も居ないことを確認してきたばかりの国政線カウンターに電話をしていたらしい。 同じ社内なのに、全然連絡が悪いんだな、これが。 で、JALの社員らしい若い女性が来て、「国際線は誰も居ないようなので、連絡先が分からない」と言うので、「わかった、もうJALには頼まない。 親切で頼れる対応をして呉れてありがとう。」と言って荷物を仕舞い始めたら、「もう少し待って下さい、他を当たってみますから」と言って、暫くまたどこかに消えていたと思ったら、JAL社内を探索して、金浦空港内のJAL手荷物係の電話番号を聞き出して来て呉れたらしい。 有難く頂いてきたが、結局のところ、9時から15時までしか営業していないので、今日はもう電話しても駄目らしい。

お願いしてから、ここまでくるのに30分かかったが、僕が怒りの表情を露わに見せるポーズを見せたら、割と一生懸命やって呉れた。 最初からそういう感じで対応して呉れれば、より好感度が高かったんだが、まあ、誠意は見せて貰ったと思う。 しかし、結局のところはふと思いついて、韓国のEKちゃんに電話し、彼女に「例の僕の着てたコートなんだけど、空港の37番ゲートにわすれちゃってさぁ・・・」と(英語で)説明し、彼女が「分かった、じゃ私がインフォメーションに電話して聞いて上げる」と言って呉れたので、まあその線に頼ろうと思う。 結局のところ、ハングルを喋れないとどうにも動きが取れないんだよな、韓国では。