ハロウィーンの夜

結局夜の8時半頃までオフィスに残っていた。 何人かの同僚はまだ残っていたようだが、僕は気のいい友人Wに誘われて、昼間JKと行った外人街にハロウィーンの仮装を見物に行った。

ビルを出た辺りで、丘を登ってゆく道を見たら、ギョッとするほどの人ごみ。 Wは僕が気管支炎なのを知っているので「本当に行く?」と心配したが、折角だから、ということでひと回り見て来ることにした。 殆どの人は香港人で、あまり仮装もしていないのだが、皆、乗りの良い外人が突飛な格好で楽しんでいるのを見物に来ているらしい。(ま、僕も同じだが)

全部で数百メートル程の街路に、沢山の魔女の人形や、骸骨、パンプキンが飾られ、道沿いのレストランには仮装した化け物達が見物人をからかったり、一緒に写真を撮ったりしている。 Wに勧められて、僕も化け物の一人と一緒に記念撮影。

坂を登り切った辺りで、一番見事な仮装に出会った。 黒い革の上下、ボサボサで重力を無視したような髪、白い顔、そして手の指が鋏。 そう、「シザーハンズ」だ。 別にどこかの店のスタッフという訳では無さそうだったが、今夜見た中では、最も見事な仮装だったな。 W「おお、シザーハンズ!」と言って喜んでいた。

結局、ひと回り街区を歩いただけで、地下鉄でホテルに戻った。 一度、Wとも夕食に行きたいものだ、と思っているのだが、今日は気管支炎だし、今までは僕が帰る時にはまだ彼の方が忙しく仕事を続けていて、全然機会が無かった。 次回、是非、ということで握手して別れた。