バイオダンスとは?

今日のニュージーランドソサエティの講演者は、「バイダンス」という心理療法の一種らしいものを教えている英国人のディビッドさんという人。 皆に「一時間のバイダンス体験」ということで、靴を脱がせて実際に踊らされた。 まさか本当に踊らされるとは思わなかったので、割とキチンとした格好をしていたのに、なんてこったい。 とは言え、結構興味深く、楽しませて貰った。

要するに「人間は心と心の触れ合いが大切なんだが、普段はそれを失っている場合が多い」ってことで、それを回復する為のダンスらしい。 特にアイ・コンタクトを重視し、体の動きと視線で、何人ものグループの人々の間での一体感を醸成する、というものらしい。 ロジカルな理解より感情的・潜在意識的な「相互受け入れ」を重視している。

実際、始めはビクビクして恥かしがっていた20人あまりの中高年(高年齢者が結構多かった)が、最後の頃は相当ノッてきて、楽しげに身体を動かしていたし、僕自身も段々恥かしさを忘れてクルリと廻ったり手を握ったりして、踊っていた。 口を利いてはいけない、という禁止事項も有効に働いていたと思う。

心理療法としてのこの方法論は、実に興味深いものがある。 人間関係の壁を打ち壊し、好き嫌いを超えてとりあえずは何らかの心理的な紐帯を造り出す。 冷たく他人行儀な現代の人間関係に新しい方向から光を当てるに相応しいものだと思った。 こういうアイコンタクトやボディコンタクトの練習を積んでゆくことで、その人間自体が、より容易に他人との関係を築くことが出来るようになりそうに思えた。 大学で孤独感に悩む青少年なんかに向いているんじゃないだろうか?