書籍

ニクラス・ルーマン入門―社会システム理論とは何か

「ルーマンは、一つの単純な分離、すなわちシステムとその環境との区別にもとづく、きわめて洗練された社会の理論を展開した。 彼は、この根本的な分離を基礎に、世界の複雑性を把握するという冒険の旅に出たのだ。」 とある処で、ルーマンの名前を聞き、調…

第三企画室、出動す ~ボスはテスタ・ロッサ

日経ビジネス・オンラインの連載小説。 作中の新日鉄とおぼしき巨大製鉄会社が、日本経済の危機的状況に対して会社組織を生き延びさせる為に何が出来るのか、を模索するという目的で組織された、小さな別働隊の3人の物語。 ■ リーマンショック以降、民主党…

マネーを生みだす怪物 ―連邦準備制度という壮大な詐欺システム

通称「FRB」、連邦準備制度理事会と言ったら、今の日本でも経済ニュースを少しでも気にかける人なら聞いたことがある名前でしょう。 米国の大統領が決まって、次に注目されるのは、連邦準備理事制度の理事会議長だったりもする。 ところで、その米国政府と共…

不思議の国のNEO―未来を変えたお金の話

インターネットの分散処理等の考え方の方向から、現在の経済システムを眺め、実現し得る代替経済システムを「不思議の国」というある種のユートピアで例示して見せてくれる実に興味深い作品。 著者の斉藤賢爾さんに、私がぼんやり考えて纏められなかった思い…

もし世界の経済が100万円とかだったら―実感できる数字で比べてみました!

人間にある程度想像出来るスケールに物事を置き換える、というのは大切なことだと思う。 特にその分野の専門家でない者にとって、国家予算のスケールとか、世界の貿易収支とか、軍事支出の巨額な値は、単に「沢山の金」でひとくくりになってしまって、その事…

The Endless City

都市問題の本らしい。 発展途上国問題等で私が個人的にその見識を評価している大橋正明氏が「人口爆発の危機は回避出来そうだが、これからの問題は都市化、都市への過度の人口集中だ」と数年前に述べていたこともあり、今、気になる分野の一つだ。 出版社/著…

皇国の守護者

明治時代辺りの技術水準による戦争を主体とした長編小説。 大日本帝国をモデルとしたとおぼしき「皇国」の北領(=北海道)に、露西亜帝国をモデルにしたらしい「帝国」が攻め込む過程で、主人公の戦争の天才、新城直衛が剣牙虎(サーベルタイガー)部隊を率…

日本でもブッククロッシングの活動が開始された

自分が読んで良かった本に、旅をさせる、という実に面白い考え方の活動。 米国で始まったそうだが、日本でも広島の方の財津正人さんという方が代表になって、活動が立ち上がったらしい。 早速僕も登録して、自分の愛読書の一冊を登録してみた。ISBN番号を入…

モモ―時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語

「モモ」は、私の物の考え方のある重要な部分を構成する元になった、大切な本です。 この本を高校時代、大学時代、社会人になってから、何度も読み返して、その度ごとに新しい発見があります。 特に時間貯蓄銀行と灰色の男達の部分。 ■ 時間とは人生そのもの…

地球の歩き方

海外の色々な場所に旅行する時に、まずは出掛ける前に「地球の歩き方」を買います。 素人じみていると笑われそうではありますが、これを一通り読んで、概略を頭に入れ、それから街に出て歩き回る。 100冊を超えるシリーズなので、私のように極く一般的な旅行…

計算不可能性を設計する - ITアーキテクトの未来への挑戦

流水書房でふと目にして手に取ったら、実に面白くて、GWに一気に読了。 神成淳司 x 宮台真司という二人の対談本なのですが、私の読解力レベルでやっと分かったような気になれるギリギリレベルの内容でした。 ITアーキテクトの神成さんに対して、今の日本の社…

地域通貨入門「持続可能な社会を目指して」

地域通貨という考え方についての好適な入門書。 世界の様々な地域通貨の実例、概要を理解するのに役に立ちました。 ■ 出版社/著者からの内容紹介 地域通貨が全国各地で実践されるようになった割には、その本質に対する理解が日本では進んでいないような気が…

貨幣の生態学 - 単一通貨制度の幻想を超えて

エンデの遺言よりも前に、カオナシさんのKWでこの「貨幣の生態学」を知り、そこから地域通貨・補完通貨への考えを繋げて行きました。 私にとっては貨幣というものについて考察を開始するきっかけになった書です。 ■ この書籍をさっと読み飛ばしてから、ロン…

エンデの遺言「根源からお金を問うこと」

人々が空気のように当然と思っていることに、重大な疑問を投げ掛け、私の人生に於ける最も大きな疑問の一つへの回答のヒントを呉れた書。 所謂「地域通貨」「補完通貨」についての、日本での動きの始まりとなったと思われます。 1999年5月4日にNHKで放映され…

同窓会名簿

高校時代の同窓会を開いた。 卒業後25年、54名中27名の出席だったから丁度50%の出席率は、まぁ、悪くないかも知れない。 43-44歳と言えばまさに働き盛りで皆忙しいが、5/31に新宿に集まった面々は、昔に帰って楽しい一時を過ごすことが出来た。 ■ 幹事の一…

少年倶楽部

小学5年生の夏休み、母親が隣町の図書館で分厚い「少年倶楽部復刻版」を何冊か借りてきた。 その夏は庭の柿の木の下に長椅子を出して、何日間も、ひたすら読み耽った。 ■ 吉川英治の『神州天馬侠』 佐藤紅緑の『ああ玉杯に花うけて』 山中峯太郎の『敵中横…

情報と文化

■ 自分の人生の方向性に大きな影響を与えた本の一つ。 高度情報化時代の先駆ともなった名著だ、と思う。 自分にもそういう指向性があったから影響を受けたのだろうが、この本無くしてはこれほど「情報について考える作業」にのめりこまなかったかも。 1987年…

10年日記

■ 10年間、毎年同じページに数行ずつ記入できる日記帳。 毎年同じような時期に、何をやっているのか、ということが分る、ということで、結構人気があるらしい。 10年前、父親がリタイアし、長男としてはボケ防止の意味も兼ねて、10年日記をプレゼントした。 …

メクリマン・シリーズ

使える英単語を覚える為の、極めて独特かつ効果的な参考書のシリーズ。 著者は富永直久氏。 単語のセレクションが良く、私の経験では、実戦で役に立ったものが多い。 どう独特なのか、というと、ページレイアウトが漫画のコマ割のようになっていて、例えば単…

ライラの冒険シリーズ全3巻

ファンタジー好きなら見逃せない英国の硬派冒険長編。 一巻二巻と続けてカーネギー賞を受賞し、三巻は2001年ウィットブレッド賞を受賞(英国の二大文学賞の一つらしい)。 ウィットブレッド賞について: 日本語の説明 http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/... …

レンズマン

正式な書名は「銀河パトロール隊―レンズマン・シリーズ」。 広大な宇宙に人類や知性ある生物の大帝国が展開した場合、正義の味方(要するに治安維持する者)を、その人間の何によって認証するのか、という問題に対して、確か生物個体毎に調製された「レンズ…