夜空に行列する飛行機

大船の自宅マンションのベランダで、夜遅くに洗濯物を干していると、晴れた日には羽田空港へ着陸しようと高度を下げる旅客機の光が見える。 その少し後ろに、もう一つ光が浮いている。 前の機体が着陸したら、次に着陸するのだろう。 そのもう少し後ろに、更にもう一機。 ということは、と数えて行くと、多分遥かに伊豆半島の方まで繋がっているのではないかと思うような、光の列が、最大で7機分位見えたことがある。 結構規則的な間隔で飛んで来ているように見えているのは、管制塔の方で、指示を出して整列させているのだろうか。

 

それがどうした、という話もあるかも知れないが、その中の1機でも、着陸に失敗したり、何らかのミスを犯すと、全機が大混乱になるだろうから、本当に粛々と決まったコースを決まったタイミングで飛んで来るのだなあ、と(多分)当たり前のことに感心してしまう。 交通システムというのは、大したものだ、と、この夜空の風景を眺めるたびに思う。

 

そして、そういった交通システムの一機一機に、数百人の乗客が乗って、羽田に付き、羽田から飛び立ち、各地へ動いて行くのか、と思うと、静かな夜空の向こうで、力強い社会の脈動が感じられるような気もする。

Linux Mintを使い始める

長男のWindows機が古くなり動きが遅く感じるようになってきたので、この機にLinux MintUSBから起動するようにして使ってみようと思った。

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とりあえず、ネット上にある手順を参考にしながら、ハワイ大学のサイトから、1.4GBほどもあるインストール用のファイルをダウンロードし、それを、手元にある16GBのUSBメモリーに、書き込む。

 

ノートPCの起動優先順位を「USBから起動」をHDDから起動の上に設定して、再起動すると、読み込みがUSBから行われて、起動した。

 

USBから起動しているにも拘らず、動きは非常に速い。 まだ殆ど使いこなす、までは至っていないのだけれど、段々にセットアップして使い込んでみたいと思う。

再読:第三企画室、出動す ~ボスはテスタ・ロッサ

関心空間アーカイブをチラチラ読んでいたら、2009年頃に書いた

kanshin.sub.jp

というキーワードが目についた。 

結構好きな経済小説だったので、まだ日経BPのサイトに残っているかな、と思って、リンクをクリックしてみたら、残っていた。 で、折角の振り替え休日に、只管、文庫本2冊分のネット小説を読み耽ってしまった。

 

日本が衰亡しつつある時期の、新日鐵(を救うというミッションを帯びた3人)をモデルとした小説なのだが、今読んでも実に面白いし、話の内容が古びていない。 結局、新日鐵新日鉄住金となって、インドのミタルからの買収を免れ、今の処は日本の会社として活動しているが、世界経済の非情なシステムを思い知ると同時に、根源的には今でも全く問題は解決していないことを感じる。 それどころか、7年経過して、事態は更に悪化しているのだ。

 

今の日本でまだ活動しているとしたら、作中の痛快な親父、旭山社長は、どんな考えを抱いているだろうか。 最近の作者の阿川大樹氏は、寡作ながら書き続けているようだから、そのうち、続編を書いてみて貰いたいものだと思う。

「「完全な『パクリ』レポート」を作成せよ」という大阪市大の課題が実に面白い

情報を編集し、己の物として行く過程が生きることだ、と考えている自分としては、実に我が意を得た記事だ。 「自分のオリジナリティ」というものに幻想を抱かず、自分の中から湧き出すものは、基本的には外部からコピーさせて貰ったものの編集結果である、という意識で、逆に積極的にそれを推し進めて行く姿勢、今後の社会で重要になるだろう。 Facebookで教えて頂いたのだが、やはりこういう風に関係する情報を相互にやりとり出来るネットワーク、というものは素晴らしい。 

 

www.itmedia.co.jp

電通過労自殺とアイボールエコノミー

電通過労自殺のことを考えていたら、アイボールエコノミー的な思いが浮かび上がったので、覚え書き。 これは自分的には重要な考えの端緒だと思う。

 

電通過労自殺が起こった件について、正直言って詳しくは知らないので、その件についてとしてではなく、今の処純粋に空想的で大雑把な記載になる。 今回の件についてもっと良く調べたら、きっと間違いも見つかるだろう。 間違いについて、コメント歓迎。

 

・ 広告費が、旧来のマスメディアから、ネットメディアへ、大挙して移動しつつある。

・ 広告代理店は、細っている旧来メディアの代わりに、どんどん広告出稿を受注してくる。

・ しかし、ネットメディア上の広告単価を、そう簡単に上げられないので、露出量(若しくはクリック数、転換数?など)を増加させねばならない。

・ ネット上の露出は、キチンとトラッキング出来るので、旧来のメディア(テレビや新聞等)ほどには効果の誤魔化しが効きにくい。 又、ネットメディアの露出量(アイボール獲得量)は、上限があり、旧来メディアと違ってキチンと計数的に把握が出来てしまう為、旧来メディア程、営業マンの営業トークで媒体価値を膨らますことも出来ない。

・ それ故、ネット上での露出を一気に増やそうとしても、そう簡単に増やせない。

・ ネットメディアの効果は、人間の注意力(=アイボール)を如何に惹きつけるかの勝負になるが、「供給量=ネットを使う人間 x ネットを使う時間」なので、増加させるには限界がある。

・ その限界があるところで、無理に増加を行おうとして、広告代理店内で矛盾が起こり、その皺寄せがネット営業部の末端に行く。

・ 解決策としては、ネットメディアの広告出稿単価を上げ、旧来メディアの価格付けを下げ、適正なバランスを取り戻すことではないか。

 

大手オフィス家具会社のITに適切に対応出来ていない自滅的な迷走。 今日、とある超大手オフィス家具会社のセミナー及び展示会に行って、上級管理職(事業部長クラス)のオフィスのセッティングを見たんだが、書類の置き場が殆ど無い。 電子化され画面上で処理するんですね?と聞いたら、そうです、との回答だった。 上級管理職が、外部の会議で資料を渡されたり、郵送等で書類を受け取った場合は、どうするんですか?と聞いたら、自分達でスキャンしてPDF化します、とのこと。 時給数千円の高給取りに、スキャナや複合機の前で、スキャン作業させるんですか? と聞いたら、わが社ではそうです、役員クラスになると、秘書が居ますから秘書にやらせると思います、と。 そんなオフィスの運用が、外の世界で許されるとは思えない。 そもそも、沢山の書類を受け取り、保管しなくてはならない上級管理職にスキャンをやらせるようなオフィスセッティングを、総務の人間が導入したら、その導入担当者の首が飛ぶ(左遷?)だろう。

 

未来的で格好良いオフィスだったが、仕事が実際どういう風に行われるのか、余り検討せずにデザインされ、顧客に提案されているようで、不安になる。 畏友柳父行二氏が嘆くような、実際のオフィスでの仕事を十全に分析せずに、新しいデザインのオフィス什器を販売しようとする傾向が見える、という問題点が、数年ぶりに訪れた展示会で、感じ取られた。

「最近の若者は内向きでも草食でもない、所得が低いだけ」という麻生太郎のコメントについて

そう、まさにその通りだ、とFacebookにエントリを書いたら、珍しく半日で32名も「いいね」を頂いた。 Wさんのコメントで、金だけじゃないだろ、と言われたが、「所得≒金」の部分を「社会的リソース」と読み替えれば、かなり当たっているのではないだろうか。 

 

自分が育った環境は、有難いことに、そんなに大金持ちという程ではなかったかも知れないが、子供三人を私学に通わせて呉れた、働き者の両親に、我慢強く見守って貰えて、恵まれた環境だった。 私が幾らかでも外向きに何かを発信しよう、などということを考えるようになったのは、やはりそういった有難い環境で育てて貰ったことが大きいように思う。

 

子供達には、なるべく、「リソース不足によりやりたいことを極端に我慢」しなくて済む、ような環境を与えたやりたいものだ、と思う。